日本の歴史を振り返り 第7回 福島県
武生
こんにちは、育英センター武生校のA氏です。
さて、7回目の今回は「福島エリア」です。
福島といえば、幕末の戊辰戦争で多くの若者が命を絶った「白虎隊」など、歴史上有名なものがたくさんありますね。
今回取り上げてみたいのは、福島市生まれの『古関 裕而(こせき ゆうじ)』(1909-1989)。
今から30年ほど前に亡くなっている人ですが、近年NHKの「朝ドラ」でその人生が描かれたりするほど有名な作曲家さんです。
生徒の皆さんの中にはあまりピンと来ない人もいるかもしれませんが、この人が作った曲は一度は耳にしたことがあると思います。
古関さん(最近の時代の人って、なんだか「さん」付けで呼んでしまいますよね。)は、若いころからたくさんの曲を世に送り出してきました。
とくに有名なものとしては、プロ野球チームの応援歌(巨人、阪神、中日など)、関東の私立大学の応援歌(早稲田大、慶応義塾大、中央大など)、夏の高校野球の大会応援歌「栄冠は君に輝く」などが挙げられます。
特に、野球に関連した曲をたくさん書いたのですが、古関さん自身はスポーツが苦手だったそうです。
プロ野球にも興味がなかったそうで、だからこそライバルチームである巨人と阪神両方の応援歌を作れたのかもしれませんね。
個人的な感覚ですが、私は「栄冠は君に輝く」(夏の甲子園の曲)を耳にする度に、「夏真っ盛りだなあ。」と思いますし、「さわやかさ」や「清々しさ」が感じられます。
きっと古関さんは、高校球児の一所懸命な姿を思いながらこの曲を作ったのではないかと思います。
一度、曲を聞いてみてください。
皆さんも「夏」を実感するはずです。
古関さんは1909年生まれなので、その人生は戦争なくしては語れません。
古関さんは戦時中、戦意高揚のための歌を書いていたのですが、これは社会的な要請によるものが大きいと思います。
しかし戦後、たくさんの大事なものが失われ、多くの日本人が辛く苦しい生活を強いられた時代には、古関さんは復興を後押しする曲を作っていきます。
時代の波に翻弄(ほんろう)されながらも、古関さんの心には「音楽の力で日本を明るく元気にしたい。」という想いがあったのではないか、と思うのです。
2020年代の現代も、世界規模のコロナ禍や日本社会の少子高齢化・経済成長の停滞、難局を迎える国際関係など、いろいろと大変な時代ですが、「古関さんの曲を聴いて、気分を明るくして日々頑張っていきたい。」と思う今日この頃です・・・。