日本の歴史を振り返り 第5回 岩手編
武生
こんにちは、福井育英センターのA氏です。
さて、「日本の歴史を振り返り」第5回は岩手県になります。
今回とりあげる人物は「原 敬(はら たかし)」。
外交官から政治家となり、総理大臣にまでなった人物で、「平民宰相」と呼ばれたことで有名です。
しかし、なぜ「平民宰相」と呼ばれたのでしょうか。
それはその当時の日本の貴族制度であった「華族(かぞく)」としての爵位の拝受を固辞(こじ)したためと言われています。
原以前の時代、日本にも「貴族(公家・諸侯など)」の身分が存在しました。そしてその貴族の流れを引き継いだのが「華族」。
原はこの「華族」という名誉を受け入れることなく、外交官・政治家として活動していく道を選びました。
しかし、総理大臣になった原が行った政策の多くは、財閥などの一部の「富裕層」向けの政策でした。
また原は「普通選挙法」の施行に否定的でした。
これらのことから、本当に彼が民衆が期待した通りの人物であったかどうかは、現在でも議論があります。
しかし、原の死後、明治政府の実力者であった西園寺公望(さいおんじ きんもち)が「原は、自分のために私欲を考えるような人物ではなかった。」と評価していることから考えても、他者のために誠実に働く人物だったのではなかろうか・・・。
ともすれば自己の利益を優先しがちな現代の私たちにとって、他者のために働く原の姿には、どこか参考にすべきところがあるように思う今日この頃です・・・。